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ネパールの旅 第11話:猿の寺院

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そろそろ日が傾いてきた。スワヤンブナートからみる夕焼けが美しいとのことで、我々はタクシーで丘を登る。スワヤンブナートが「猿の寺院」と呼ばれているのは、この丘全体に沢山の猿が生息しているからだ。

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無限に続くような階段。挑む前にお茶を飲むことにした。ネパールにいると、一日に何度でも、温かくてカルダモンのかおるチヤを飲みたくなるのだ。

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チベットカフェの店頭にはジャンマラ・クルサニ(殺人唐辛子の意味)が干されている。赤くなり始めた太陽の光を受けて美しく輝いていた。店にトイレがなかったので公衆トイレを借りることにしたが、見知らぬ街ではすぐに道に迷ってしまう。雑貨屋の女主人に道を聞くと、5歳くらいの男の子が店から飛び出してきた。「あの子が案内してくれるって」と女主人に言われたので、僕は男の子の後をついていき、無事、ダム決壊前にトイレにたどり着いた。お駄賃をあげようとしたが、カバンの中に入れた手が財布に触れる前に、男の子は笑いながら手を振り、スキップしながら去って行った。

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カフェでチョウミンを3人で分けて食べ、疲れの取れた我々はいよいよスワヤンブナートの階段を上っていく。途中で出会った坊主頭のチベット人は気さくな男で、ペラペラと世間話をしながら素早く階段を昇っていく。我々のペースに合わせるのに飽きたのか、笑いながら上へ消えていった。

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半分を過ぎて踊り場を越えたところから、階段は突如急峻になる。

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ようやく頂上に着くと、夕暮れに照らされたストゥーパが美しく輝いていた。

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頂上から見下ろすカトマンドゥの街並みが美しい。この寺院は、カトマンドゥ盆地がまだ湖の下にあった頃…つまりこの丘が湖に浮かぶ小島だった時に作られたらしい。街並みを見下ろしながら、そこがまだ湖面であった頃の風景に思いを馳せた。

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ネパールの仏像は、非常に繊細な技術で作られていて、どれも美しい。仏像には殆ど造詣のない僕だが、ここでは沢山の像や仏具に心を惹かれている。

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家に持って帰りたいとは思わないのだが、細工物の店を見つけると、立ち寄らずにはいられない。日本に帰ってからも、こういう店を見つけたらきっと覗くようになると思う。

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ネパールがすっかり気に入ってしまった僕だが、「私たちは日本の皇太子と妃が好きです」と書いてあるのを見て嬉しくなって、日本人であることを思い出す。

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日がほぼ落ちて、ライトアップが始まった。このままカトマンドゥの夜景を楽しんでいくのも悪くないが、まだ買い物がしたいのでいったんホテルに帰ることにした。

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人通りが少なくなったからか、それとも活動の時間帯なのか、帰り道ではたくさんの猿が森を飛び出して参道を駆け回っていた。階段を下りる途中で、一組の猿の親子に出会った。やんちゃな子猿が母猿の周りを離れて遊びに行こうと飛び出すのを、咄嗟に尻尾をつかんで引き戻し、何やら怒っている。そのうち、お腹が空いたのか、子猿は母猿の乳を吸い始めた。

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いよいよ、楽しかったネパールの旅も最終局面が近づいてきた。我々は思い残すことの無いよう、ホテルに荷物を置いて、簡単な夕食を取ってから再びカトマンドゥの混沌の中に繰り出すのである。

そういえば、カトマンドゥにはロックバーがいくつもあるのだが、その中の一つの窓から漏れ聴こえて来たのは、なんとPink Floydの"Coming Back To Life"なのであった。歌も演奏も上々で、聞き惚れただけでなくつい一緒に歌ってしまったのである。

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ここまでに旅行で買ったお土産の、ほんの一部。

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